愛読している老舗オモシロ系Webサイト,デイリーポータルZ(略称:DPZ)がリニューアルしました。@niftyが富士通から切り離されても存続し,その後ほどなく,サイト,というより,編集部員ごと切り売りされるというあたり,信用されているブランドの強みを感じさせます。
とはいえ,「老舗」ならではの弱みというものもあります。システム的に古いものを継続してメンテナンスしていかねばならず,HTML & CSSの改良だけで済むならデザイナーに発注すれば済む話ですが,CMSと一体化したサイトとなると,バックエンドのDB構造から考え直さないとリニューアルもままならないことになります。現状のWordPress, MovableType, NetCommonsといった,バージョンアップが頻繁な(NetCommonsはイマイチですが)CMSなら,ほぼ自動的にアップデートできますが,DPZは@nifty時代に作った独自のCMSで動いていたらしく,長らくリニューアルができずにいたようです。
今回のDPZのリニューアルで使ったのはconcrete5という,割と新顔のCMSで,私もその存在を知りませんでした。ちょろっと検索して見た限りでは,PHP+MySQL環境で動作する,プログラミングいらずでWYSIWYGカスタマイズできることがウリのようです。とはいえ,少し複雑なことをしようとすると有償のプラグインが必要になるところは,逆にビジネス的にも有用なのかなという安心感も与えてくれますね。
本研究室の卒研はWebプログラミングですが,この手のCMSで有用なコンセプトを持った独自サイトを構築するというテーマでもO.K.です。できればプラグインを自作するところまで到達してほしいものですが,どこまで標準的な機能だけで構築できて,どこから先は独自プラグインが必要になるのかという見極めぐらいはつけて頂きたく,卒研テーマ設定の際はこの点を考えておいて下さい。